あなたが突っこむ20の質問

潤子さん
谷崎です。
こちらに、「あなたが突っこむ20の質問」というのがありましたので、参加させていただきました。

あなたが突っこむ20の質問


01.あなたの名前はジャイ子ですか。

そう呼ばれたこともありました。
でも、もう、遠い昔の話です。

02.それともジャイアンですか。

そのような称号は、私には分不相応です。

03.あ、ごめんなさい、「プーさん」でしたね。

シッ、その名前を軽々しく口に出してはいけませんよ。
テトラグラマトンと同義なのですから。

04.どうでもいいけどお腹すいた。

空腹……? 本当に感じるんですか?

05.美味しそうなマカロニグラタンでも落ちてませんかね。

マカロニって、イタリア語で「伊達男」って意味なんですって。

06.パソコンゆすったら網焼きハンバーグが落ちてきた!

そう言えば今日は、「晴れ時々くもり、ところにより、網焼きハンバーグ」でしたね。

07.おいしいなあ、網焼きハンバーグ。

あまり油以外は、摂取しないで下さいね。
そういう風には、できてないのだから。

08.コタツの上にアボガドあったけど、食べる?

アボガドって何ですか? アオミドロなら知っていますが……

09.アボガドは洗剤にもなるらしいです。
アオミドロは、ビオトープで大量発生しますよ。

10.アツはナツいね。

そんな、危篤? だって、お祖母ちゃん、昨日まで元気で……。

11.サムはフユいね。

へえ。あの俳優夫婦、離婚したんですか。まだ1年も経ってないのに。

12.そういえば、プーさんは人間なんですか?

シッ、ここでは話せません。
悲しいけれども、あなたから、情報が筒抜けになってしまうんです。

13.えーそうなんだー気付かなかった。

あなたの目で見たこと、聞いたこと、全てが……。

14.私は人間ですよ。

……そう。そうですね、あなたは人間。
……心は人間となんら変わりないわ。

15.確かプーさんの年齢は58歳だったよね。

正確には、プーさ……彼の年齢は、十進法で現すことはできないんです。

16.ドラクエの攻略本に書いてあったよ。

あれは、某局が作った偽書ですから。

17.354日後が私の誕生日なんだー。いいでしょう。

そうですか、じゃあ、そろそろメンテナンスが必……あ、ううん。なんでもないです。

18.誕生日プレゼントに粉チーズ貰う予定なんだ。

主成分は松脂ですけどもね。

19.あれ、いつの間にかタメ語だし。

もしかして、言語プログラムに異常が……?

20.おやすみなさい。

おやすみなさい。充電を忘れないように。

質問配布元

『百鬼園随筆』

谷崎です。
潤子さん
通勤中は、ウォークマンに『浪曲清水次郎長伝』入れて、エンドレスで聴いてます。
ちなみに「ウォークマン」は携帯音楽プレイヤーでも、MDでもなく、カセットテープ用です。
例のソニー爆弾も作動せず、まだまだ現役で頑張ってくれてます。


さて本日は、内田百輭百鬼園随筆を紹介します。
夏目漱石の弟子、内田百輭の随筆集です。

百鬼園随筆 (新潮文庫)

百鬼園随筆 (新潮文庫)

ちなみに、この表紙の絵。
この絵は、かの芥川龍之介によるものです。タイトルは、『百輭先生邂逅百輭先生図』
さすが芥川先生、なかなかのセンスされてます。(むしろ蜘蛛の糸?)

内田百輭の魅力は、なんと言っても、諧謔味に富んだ、飄々とした語り口にあります。
言ってることは、我が儘で大きな子供みたいなんですが、なぜか憎めない。


例えば、ここに所収されている「風呂敷包」という話の冒頭。

本を読むのが段々面倒くさくなったから、なるべく読まないようにする。読書と云う事を、大変立派な事のように考えていたけれど、一字ずつ字を拾って、行を追って、頁をめくって行くのは、他人のおしゃべりを、自分の目で聞いている様なものなので、うるさい。目はそんなものを見るための物ではなさそうな気がする。

と、始まります。


「本を読むなど馬鹿げている」ということを、当の本を読んでいる私達、また、その本の収入で食べている内田百輭自身に向かって吐いているわけです。
もちろん、重々承知していて。


黒澤明の映画『まあだだよ』は、内田百輭をモデルにして作られた映画です。

まあだだよ デラックス版 [DVD]

まあだだよ デラックス版 [DVD]

百輭が還暦を過ぎた翌年から、弟子達が毎年、「摩阿陀会(まあだかい)」という百輭の誕生会を開いていました。
「摩阿陀会」とは、「百輭先生の還暦はもう祝ってやった。それなのにまだ死なないのか」に由来します。(Wikipediaより)
ちなみに享年は81歳。長生きされてます。


また、芸術院会員に推薦された時の辞退の弁、「イヤダカラ、イヤダ」は、有名です。

サイト名、変えました。

ブログを開設してから6日間、「電気人の死」というサイト名でやって来てたんですけども……
サイト内容と微妙に、と言うか、かなりそぐわないので、「電氣式図書館」という名前に変更しました。
今後も、当図書館をよろしくお願いしますね。



台風の季節も近づいてきたので……
いつでもお休みできるように、休館日の立て札を作ってみました!
もう、休む気満々ですから。カメハメハ大王なみに。
有給バンザイですよ!!

2003 UB313発見者、惑星の新定義に異議「第十惑星にならなくてもいい」(アストロアーツ)

潤子さん
谷崎です。
様々な話題を呼んでいる、「惑星12個」ニュース。
ここに来て、反論意見が、結構たくさん出てきてますね。


アストロアーツ(AstroArts)*1で、面白い記事がありました。
件の「第10惑星」になるかもしれない天体「2003 UB313」の発見者自身が、惑星13個の新定義に反対している、というニュースです。

2003 UB313発見者、惑星の新定義に異議「第十惑星にならなくてもいい」
【2006年8月22日 CNN.com】
Micheal Brown教授は、今や「第十惑星」ともてはやされる天体「2003 UB313」の発見者だ。彼の発見が契機となり、国際天文学連合IAU)の総会で「惑星の新定義」がまさに議論されている最中だが、Brown教授の反応は意外なものだ。原案に真っ向から反対し、「惑星は(冥王星を除く)8個でもいい」とさえ言い切っている。


もし、今月16日にIAUに提出された原案がそのまま可決されたら、もっとも名誉を得るのはカリフォルニア工科大学Micheal Brown教授だろう。彼が冥王星よりも大きな天体・2003 UB313を発見したことで「惑星を正式に定義しよう」という機運が高まったのだし、原案が可決されれば、彼は現在世界に2人しか存命しない「惑星の発見者」となる(もう1人は、現在冥王星の衛星とされている「カロン」の発見者、James W. Christy氏だ)。


その上、Brown教授が自身でまとめたところによれば、「自身の重力によってほぼ丸い形をしている」という新定義にあてはまりそうな天体を2003 UB313以外に14個も発見している。惑星を15個も発見したとなれば、天文学者にとってはたいへんな栄誉となるだろう。


しかし、Brown教授はIAUの原案に賛成しない。その理由は、まさに彼自身の業績が示すように、惑星が多くなりすぎるからだ。このままでは「惑星」として認められる天体が53個にものぼる可能性を指摘した上で、彼はこう主張する。

「結果として、『惑星』という学術用語と『惑星』という文化的な用語は分離することになるでしょう。学校で53個の惑星の名前を覚えさせようなんて誰も思わないでしょうし、そもそも53個の大部分は現在正式な名前すらないのです」


彼の考えるもっとも現実的な案は、「冥王星よりも大きければ新惑星とする」というものだ。その場合、新しく惑星と認められるのは彼が発見した2003 UB313だけになる。だが、それは何も栄誉を独り占めしたいからではなく、「大衆が惑星について持っているイメージにもっとも近いから」だ。


「『惑星』を定義するのは大衆に任せればいいでしょう。天文学者は本業である科学への取り組みに戻るべきです」


惑星の定義に関しては、他にも「現状を維持して9つに」や「冥王星を減らして8つに」という選択肢もある。Brown教授は「現状を維持することは、冥王星で太陽系が終わりだという間違ったイメージを与えることになる」と述べて現状維持案には反対する。その上で、「過去にセレスは惑星と言われたが、似たような天体が発見されたので"asteroid"(小惑星)と呼ばれるようになった」という歴史に触れて、こう続けている。


IAUは当時の学者たちと同じように、英断するべきです。やがて誰もが新定義を受け入れるでしょうし、科学は自らの過ちを直すことができることを大衆に示すチャンスとさえ言えます」


言うまでもなく、Brown教授が発見した2003 UB313も惑星ではなくなる。しかし、覚悟はできているという。


「科学的な定義は感情ではなく科学に基づいて決めなければいけません。(2003 UB313を外すのは)良い選択ではないですか。第十惑星の発見者となるチャンスを失うのは悲しいことですが、克服できます」


どうしてIAUは8個という原案を示さなかったのだろう。


天文学者は、他の人と同じくらい感情的で、冥王星を外すことに我慢できなかったのではないでしょうか。そしてそれに続く批判にも、我慢できないと思ったのでしょう」


やはりBrown教授はIAUの案に反対票を投じるのだろうか。「科学的には問題ないとしても、科学以外の面で問題がありすぎる」としつつも、彼は投票できない。皮肉にも、彼はIAUの会員ではないのだ。


http://www.astroarts.co.jp/news/2006/08/22micheal_brown/index-j.shtml

この記事だけを見るに、マイケル・ブラウン教授という方は、なかなか面白い人物みたいですね。

「『惑星』を定義するのは大衆に任せればいいでしょう。天文学者は本業である科学への取り組みに戻るべきです」
天文学者は、他の人と同じくらい感情的で、冥王星を外すことに我慢できなかったのではないでしょうか。そしてそれに続く批判にも、我慢できないと思ったのでしょう」

この部分など、なかなか良い性格してらっしゃいます(笑)


国際天文学連合IAU)という組織は、Wikipediaによると、

国際天文学連合(こくさいてんもんがくれんごう、IAU)は世界の天文学者で構成されている国際組織である。国際科学会議 (ICSU) の下部組織となっている。恒星、惑星、小惑星、その他の天体に対する命名権を取り扱っている。その命名規則のために専門作業部会が設けられている。

IAUは天文電報の発行業務にも関わっており、スミソニアン天体物理観測所が運営している天文電報中央局 (Central Bureau for Astronomical Telegrams; CBAT) について支援している。

IAUは1919年に多くの団体を統合して設立された。最初の会長にはフランスのバンジャマン・バイヨーが選出された。

2005年現在、会員として、9,040人の天文学者などの個人会員と63の国家会員が所属している。現在の会長はロナルド・エカーズである。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%A4%A9%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%80%A3%E5%90%88

とあります。


まあ、人間が惑星を「8個」にしようが、「9個」のままでいようが、「12個」に増やそうが……惑星自身にとってみれば、どうでも良いことなんですよね。
利便性の問題であって、手段と目的を間違ってはいけないと思ったことであります。
面白いですけどね。こういう話題は。

ポンキッキ「SOSペンペンコンピュータ」

惑星・宇宙つながりで、動画をひとつ。
YouTubeに、大大大昔に「ひらけポンキッキ」でやっていた、「SOSペンペンコンピュータ」という曲がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=tH5D6dDgljY


私が、ものっっっ凄く小さい頃に放映されてたんですが……とても怖かった記憶があります。
(怖いから、この歌好き。という変な子供でしたが)


今見ても、「(地球に)かえれないよ〜」っていう歌詞とか、「コンピュータハ、ニンゲンノ、トモダチ、ダケド…」という台詞、最後に出てくる謎の女性の絵が怖いですねえ。


*1:元ネタはCNN

森薫『エマ』

潤子さん
本だけでなく、漫画も読みますよー。
なんでもオールオッケーな雑食司書、谷崎です。


さて。
メガネ繋がりで、森薫『エマ』を読んでみました。
アニメ化もされてますね。

エマ (1) (Beam comix)

エマ (1) (Beam comix)

19世紀末のイギリスが舞台。メイドのエマと、ジェントリ(上流階級)の跡取り息子ウィリアム恋物語
謹厳な老女ケリーの元で、メイドとして働いているエマ。
ある日ケリー宅へ、元教え子・ジョーンズ家の跡継ぎ息子ウィリアムがやって来る。
良く言えば「人が良い」、悪く言えば「優柔不断のボンボン」のウィリアムは、ケリーの家で働くエマに一目惚れ。
超奥手なアタックを繰り返し、エマと両思いになる。
ここまでは順調だったものの、身分差の壁は厚く……えー。こう書くと、何だかハーレクインロマンスみたいで、恥ずかしいんですが……そんな甘い話でもなく(甘い部分もありますが)、面白いです。


様々なところで言及されていますが、何より凄いのが、作者の時代考証
Wikipedia「エマ」の項に、

時代考証
この漫画はヴィクトリア期のイギリスの風俗を丁寧に描いているとして高く評価されている。一方で作者の設定上のミスもいくつか存在する。

  • 第一話でウィリアムは複翼式の飛行機模型を手に取っているが、このような飛行機が登場したのは20世紀に入って以降である。アニメでは19世紀にウィリアム・サミュエル・ヘンソンの発明した蒸気式飛行機(Aerial Steam Carriage)に変更された。
  • 第二巻の終わりで登場するキングズクロス駅プラットフォームの柱が鍛鉄製となっているが、これはユーストン駅のデザインであり、実際は煉瓦製の柱である。J・K・ローリングも『ハリー・ポッターと賢者の石』において同様の間違いをしている。アニメでは訂正された。

とあるのですが……逆に言えば、ここまで細かい指摘をしないと、粗が見つからないという事です。


世間のいわゆる「萌え系メイド」とは一線を画す漫画。オススメ致します。


<ここからはネタバレを含みます。
 大丈夫な方のみ、文字を反転させてください>
最終巻まで読みました。
うーん、世間で言われてるように、ラストは、少し急ぎすぎ&詰め込みすぎですね。
力技で、ハッピーエンドにした感じはします。
番外編も出るようなので、そこらへんで補完されるのかもしれませんが。


色んな感想で言われている通り、結局この物語、ウィリアムが全ての元凶ですねw
最初から、ウィリアムがハッキリしてれば、色んなゴタゴタは起きなかった訳で。
(まあ、そうなると、この漫画自体が成り立たないですけども)
逆に言えば、作者は、ウィリアムとエマとの隔絶を、的確に描いていると思いましたね。
寒村に生まれ、人買いに攫われるなど苦界を嘗めてきたエマの苦悩を、結局のところ、上流階級の跡取りとして育てられてきたウィリアムが、分かるはずがない。
ここでもし、ウィリアムがエマの苦しみを理解するようにもっていくと、物語は薄くなる訳ですねー。
物語内で、エマ視点/ウィリアム視点で切り替わるごとに、貧困や人の死に直面しているエマと、何だかんだ言って父親と喧嘩してる程度(?)のウィリアムとの差が、リアリティあって良かったです。

「ウィリアムのヘタレ具合に腹が立つ」という意見をチラホラ見かけますが、なんの、この漫画は、「ウィリアムがヘタレだから成り立つ漫画」なんですよ。
たぶん。


日本探偵小説三大奇書+『家畜人ヤプー』


好きな本のためなら、嘘も捏造も厭わない、バーチャルネット司書・谷崎です。


潤子さん
誰が決めたのかは知りませんが、
「日本探偵小説三大奇書と呼ばれる作品があります。

知名度では、『ドグラ・マグラ』>>>『黒死館殺人事件』>『虚無への供物』という感じでしょうか。
私は、中学生の時に読んだのですが、内容の奇抜さも、この順番だったと感じています。
読み辛さ度でいくなら、難解な方から、
黒死館殺人事件』>『ドグラ・マグラ』>>『虚無への供物』でした。
(あくまでも、私個人の感覚ですけども)

夢野久作ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ』が有名なのは、何と言っても、裏表紙に書かれた、
「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」
という謳い文句でしょう。
(まあ、『ドグラ・マグラ』を読んで、神経がおかしくなった人など聞いたことありませんが)
ただ、主題が「自分の脳を疑う」ということなので、長い長い出口のない迷路に迷いこんだような、クラクラした酩酊感を味わうことができる本です。
角川文庫版の表紙、米倉斉加年さんのイラストが……
コレ↓で、

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ちょっと図書館のカウンターに持って行きづらい方や、上下巻を読んでる暇が無いという方は、
DVDもあるので、そちらをご覧になっても良いと思います。

ドグラ・マグラ [DVD]

ドグラ・マグラ [DVD]

……まあ、装丁の恥ずかしさでは、トントンというところでしょうか……
なかなか出来の良い映画で、結構、小説の雰囲気が忠実に再現されていると思います。
見所は、なんと言っても、今は亡き桂枝雀師匠の怪演! これにつきますね。

沼正三家畜人ヤプー

この手の奇書、というと、残り2つよりも、
私は、沼正三家畜人ヤプーを挙げたいですね。(推理じゃなく、SFなんですが)

家畜人ヤプー〈第3巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

家畜人ヤプー〈第3巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

最近、江川達也が漫画化したので、ご存じの方も多いでしょう。

家畜人ヤプー 7 (バーズコミックス)

家畜人ヤプー 7 (バーズコミックス)

今でこそ有名ですが、幻冬社アウトロー文庫から文庫版として出版するまでは、結構、手にすることが難しい(?)奇書でした。
執筆当時(1956〜)から、あまりに過激な内容であったため、右翼左翼両方から抗議があり、出版も難航したと言われています。
また、作者「沼正三」の正体が、未だに不明*1であるため、カルト的な人気は非常に高いです。
結構、グロテスクというか……、そういう描写もあるので、苦手な方はやめておいた方が良いかもしれませんね。

小栗虫太郎黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』

残り2つの「日本探偵小説三大奇書
実は、ほとんど印象が残っていないんです……スイマセン。

黒死館殺人事件 (小栗虫太郎 全作品)

黒死館殺人事件 (小栗虫太郎 全作品)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

ちなみに、小栗虫太郎黒死館殺人事件』は、青空文庫でも読むことができます。

青空文庫には、夢野久作の作品もたくさん収録されています。
(『ドグラ・マグラ』は打ち込み中みたいですが)

中井英夫に関して言えば、『虚無への供物』よりも、短編集『薔薇への供物』の方が、面白く感じた覚えがあります。
ええと、あらすじはサッパリ忘れちゃったんですが。。。
(なんと言っても、中学生の頃の話なので……)

薔薇への供物 (河出文庫)

薔薇への供物 (河出文庫)

*1:一応、沼正三代理人天野哲夫が正体ではないかと言われている

鳥山石燕『画図百鬼夜行』

潤子さん
谷崎です。
一時期の妖怪ブームは、最近、ちょっと沈静化してきた感ありますね。


京極夏彦京極堂シリーズが火付け役となり、水木しげる御大の書物がリバイバルされたり、カルト的人気を誇っていた荒俣宏が光の当たる場所に出てきたりと、……映画に漫画にアニメ。
まさに、妖怪メディアミックス状態でしたね。


ちなみに、私の周りにも妖怪好きが多くて、

「ね、最近のオススメ妖怪は何?」
「最近は、天井嘗! もーヤバイって!」
「アタシは琵琶牧々。あれって、今流行のゆるキャラよねー」

などという会話が飛び交っています。
……嘘です。


さてまあ、そんなブームも、少し鎮まってきたわけで。ここら辺で、一度、原点に戻ってみるのは如何でしょうか?

鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)

鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)

江戸時代の妖怪画家、鳥山石燕(1712〜1788)の著した『画図百鬼夜行』。
微妙ーに、偏った書籍を発刊し続けている、角川ソフィア文庫版です。
文庫なので、お値段もお手頃。
文庫の帯には、
火車、姑獲鳥、狂骨もいるぞ。水木しげる京極夏彦を語る上で欠かせない伝説の妖怪絵師の名作すべてを一冊に!」
と、あるように、水木しげる京極夏彦の作品の元ネタとなった妖怪の原型が、ごっそり詰め込まれています。
(まあ、「伝説の妖怪絵師」という部分には、かなり誇張を感じなくもないですが)
しかも、嬉しいことに、影印*1翻刻*2+妖怪別索引付き!
現代語訳はついてませんが、江戸時代の妖怪絵を眺めているだけでも、充分楽しめます。


また、影印の下に翻刻がついてるので、変体仮名を勉強したい人にも持ってこい!
ハリー・ポッターで英語の勉強をするように、『画図百鬼夜行』で変体仮名*3を覚えられますよー。
(たぶん)

*1:底本を写真撮影したもの

*2:変体仮名を今の私達に読めるようにしたもの

*3:いわゆる、古い時代のグニャグニャした文字