『百鬼園随筆』
谷崎です。
通勤中は、ウォークマンに『浪曲・清水次郎長伝』入れて、エンドレスで聴いてます。
ちなみに「ウォークマン」は携帯音楽プレイヤーでも、MDでもなく、カセットテープ用です。
例のソニー爆弾も作動せず、まだまだ現役で頑張ってくれてます。
さて本日は、内田百輭の『百鬼園随筆』を紹介します。
夏目漱石の弟子、内田百輭の随筆集です。
- 作者: 内田百けん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/04/25
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ちなみに、この表紙の絵。
この絵は、かの芥川龍之介によるものです。タイトルは、『百輭先生邂逅百輭先生図』
さすが芥川先生、なかなかのセンスされてます。(むしろ蜘蛛の糸?)
内田百輭の魅力は、なんと言っても、諧謔味に富んだ、飄々とした語り口にあります。
言ってることは、我が儘で大きな子供みたいなんですが、なぜか憎めない。
例えば、ここに所収されている「風呂敷包」という話の冒頭。
本を読むのが段々面倒くさくなったから、なるべく読まないようにする。読書と云う事を、大変立派な事のように考えていたけれど、一字ずつ字を拾って、行を追って、頁をめくって行くのは、他人のおしゃべりを、自分の目で聞いている様なものなので、うるさい。目はそんなものを見るための物ではなさそうな気がする。
と、始まります。
「本を読むなど馬鹿げている」ということを、当の本を読んでいる私達、また、その本の収入で食べている内田百輭自身に向かって吐いているわけです。
もちろん、重々承知していて。
黒澤明の映画『まあだだよ』は、内田百輭をモデルにして作られた映画です。
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百輭が還暦を過ぎた翌年から、弟子達が毎年、「摩阿陀会(まあだかい)」という百輭の誕生会を開いていました。
「摩阿陀会」とは、「百輭先生の還暦はもう祝ってやった。それなのにまだ死なないのか」に由来します。(Wikipediaより)
ちなみに享年は81歳。長生きされてます。
また、芸術院会員に推薦された時の辞退の弁、「イヤダカラ、イヤダ」は、有名です。