日本探偵小説三大奇書+『家畜人ヤプー』
好きな本のためなら、嘘も捏造も厭わない、バーチャルネット司書・谷崎です。
誰が決めたのかは知りませんが、
「日本探偵小説三大奇書」と呼ばれる作品があります。
知名度では、『ドグラ・マグラ』>>>『黒死館殺人事件』>『虚無への供物』という感じでしょうか。
私は、中学生の時に読んだのですが、内容の奇抜さも、この順番だったと感じています。
読み辛さ度でいくなら、難解な方から、
『黒死館殺人事件』>『ドグラ・マグラ』>>『虚無への供物』でした。
(あくまでも、私個人の感覚ですけども)
夢野久作『ドグラ・マグラ』
『ドグラ・マグラ』が有名なのは、何と言っても、裏表紙に書かれた、
「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」
という謳い文句でしょう。
(まあ、『ドグラ・マグラ』を読んで、神経がおかしくなった人など聞いたことありませんが)
ただ、主題が「自分の脳を疑う」ということなので、長い長い出口のない迷路に迷いこんだような、クラクラした酩酊感を味わうことができる本です。
角川文庫版の表紙、米倉斉加年さんのイラストが……
コレ↓で、
- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1976/10/01
- メディア: 文庫
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ちょっと図書館のカウンターに持って行きづらい方や、上下巻を読んでる暇が無いという方は、
DVDもあるので、そちらをご覧になっても良いと思います。
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- 発売日: 2004/02/27
- メディア: DVD
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……まあ、装丁の恥ずかしさでは、トントンというところでしょうか……
なかなか出来の良い映画で、結構、小説の雰囲気が忠実に再現されていると思います。
見所は、なんと言っても、今は亡き桂枝雀師匠の怪演! これにつきますね。
沼正三『家畜人ヤプー』
この手の奇書、というと、残り2つよりも、
私は、沼正三『家畜人ヤプー』を挙げたいですね。(推理じゃなく、SFなんですが)
- 作者: 沼正三
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/07/01
- メディア: 文庫
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最近、江川達也が漫画化したので、ご存じの方も多いでしょう。
- 作者: 沼正三,江川達也
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2006/02/24
- メディア: コミック
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今でこそ有名ですが、幻冬社がアウトロー文庫から文庫版として出版するまでは、結構、手にすることが難しい(?)奇書でした。
執筆当時(1956〜)から、あまりに過激な内容であったため、右翼左翼両方から抗議があり、出版も難航したと言われています。
また、作者「沼正三」の正体が、未だに不明*1であるため、カルト的な人気は非常に高いです。
結構、グロテスクというか……、そういう描写もあるので、苦手な方はやめておいた方が良いかもしれませんね。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』
残り2つの「日本探偵小説三大奇書」
実は、ほとんど印象が残っていないんです……スイマセン。
- 作者: 小栗虫太郎
- 出版社/メーカー: 沖積舎
- 発売日: 1997/08/15
- メディア: 単行本
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- 作者: 中井英夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/15
- メディア: 文庫
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ちなみに、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は、青空文庫でも読むことができます。
青空文庫には、夢野久作の作品もたくさん収録されています。
(『ドグラ・マグラ』は打ち込み中みたいですが)
中井英夫に関して言えば、『虚無への供物』よりも、短編集『薔薇への供物』の方が、面白く感じた覚えがあります。
ええと、あらすじはサッパリ忘れちゃったんですが。。。
(なんと言っても、中学生の頃の話なので……)
- 作者: 中井英夫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1990/05
- メディア: 文庫
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